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道を切り拓く社員たち
技術の真価を、
量産の現場で試す。
設備開発立ち上げの
最前線に立つ。

生産技術部 生産技術課
平野 智也
技術の真価を、
量産の現場で試す。
設備開発立ち上げの最前線に立つ。
学生フォーミュラと研究で培った、
設計と検証の思考力。
大学では、固体酸化物型燃料電池を用いた二酸化炭素還元の研究に取り組みながら、3年間にわたり学生フォーミュラ大会に参加していました。私はパワートレイン班として吸排気系やマフラーなどの設計・製作を担当。試作・検証を繰り返すなかで、机上の論理だけでなく、実際に手を動かして得られるリアルな知見の大切さを実感しました。たとえば最後の大会では、仲間と徹夜で車検を突破するための対応に奔走。失敗も多くありましたが、課題から逃げずにやりきった経験が、今でも自信につながっています。「自分で考え、描き、形にする」──その一連の流れを通じて得た設計思考は、現在の業務でも根幹となる力です。現場で使える設備を考えるとき、実験での“うまくいかなさ”を丁寧に読み解いてきたあの頃の姿勢が、自然とよみがえってきます。また、周囲と連携しながら試行錯誤を続けた経験が、現在のチーム業務にも通じています。自分だけで完結せず、仲間とともに成果を目指す姿勢が、社会人としての成長を後押ししています。さらに、学生時代に取り組んだ「ものづくり」の楽しさが、今の自分の原動力になっていると感じています。

エレメント製作装置の仕様検討に挑む、
現場視点のものづくり。
2024年4月にGSユアサへ入社し、現在は当社に出向して生産技術課に所属。リチウムイオン電池の製造に必要なエレメント製作装置の設備導入に向けた業務を担当しています。エレメント製作装置とはシート状の電極とセパレーターを正確に組み立てる設備であり、電池の品質や安定性に直結する重要な工程です。私は現在、この設備の構想・検証フェーズから携わり、仕様検討や機構の成立性確認、さらにはコスト調整まで、幅広く関与しています。
そうした中で特に意識しているのが、現場目線のものづくりです。量産を見据えた設備づくりの礎を築くには、図面上の理想だけでは不十分です。実際の製造現場を念頭に置き、「どうすれば安定して稼働するか」「現場で扱いやすいか」といった観点を重視しながら、設計者・製造担当者・装置メーカーなど、さまざまな立場の人々と意見を交わし、調整の糸口を探る日々が続いています。また、HondaとGSユアサという異なる企業文化の間に立つことで、完成車メーカーならではの視点や設備へのアプローチ、着眼点の違いを肌で感じています。こうした異なる価値観に触れる機会が、自分の視野を広げるきっかけとなり、日々の学びや成長に確かな手応えを感じています。

「平野がいれば安心」と
言われる技術者を目指して。
生産技術の仕事とは、設計図に描かれた理想を、現場で動くかたちに落とし込むこと。実際の製造ラインでは、計画通りにいかないことの方が多く、だからこそ、地に足のついた技術判断が求められます。現場からのフィードバックや実際の検証を通じて、机上の設計を現実的な設備へと仕上げていく──そのプロセスは一筋縄ではいかない分、確かなやりがいがあります。私はまだ経験の浅い若手ですが、少人数チームの中で任される領域も広く、自分の提案が仕様に反映されることも増えてきました。装置導入の初期段階から深く関われる今だからこそ、失敗も含めた現場経験を多く積みたいと考えています。現場に近い立場での検証と改善の積み重ねが、結果的に製品の品質や信頼性を支える基盤になる。「平野がいれば安心」と思われる存在を目指し、地道に信頼と技術を積み重ねていきたい。そしていつか、自分が関わった設備から生まれた電池がEVに搭載され、社会の中で活躍する姿をこの目で見届けたいと思います。
