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社員紹介
革新的な技術を下支えする、
「あたりまえの安全性」を、
仲間と共に、つくりあげていく。

技術開発部 機構設計課
北本 裕太郎
革新的な技術を下支えする、
「あたりまえの安全性」を、
仲間と共に、つくりあげていく。
知識を社会に還元するために
選んだ、
自動車業界という道。
大学では化学を専攻し、燃料電池の材料についての研究を行っていました。卒業後、自分が学んできたことを社会に活かせる仕事はなんだろう。そう考えたときに思い至ったのが、現代社会に欠かせない「車」という存在でした。持続可能性という価値観が当たり前のものとなった現在、EVへのニーズは世界中で加速度的に高まっています。だからこそ燃料電池を含めた低環境負荷のパワーユニット開発に携わることが世のため、人のために役立てる最善策となるはず。そんな想いを抱いて就職を決めました。
入社後はハイブリッドカー関連の安全性評価チームで、耐火性などの法規対応に奮闘。評価に関わったバッテリーが完成した際には、大きな達成感とやりがいを感じました。このとき「今後もバッテリー開発業務に携わり、より大きなゴールを達成したい」と思ったことが、当社に出向するきっかけとなりました。

より深く、より広く。
バッテリーへの
知見が日々育っていく。
EVを駆動させるバッテリーは、巨大なひとつの電池でつくられているわけではありません。セルと呼ばれる小さな部品がいくつも集まってモジュールを形成し、さらにそのモジュールを複数個まとめたパックをつくることで初めて、自動車などに使われるバッテリーが完成します。私はこのモジュールの安全性評価をはじめ、「熱連鎖抑制」の研究を担当しています。
当社が開発しているのは、一般的なスマホなどにも使われている「リチウムイオンバッテリー」。充電しながら使ったり、負荷の高いアプリを駆動させたりしたときに、スマホが発熱するように、リチウムイオンバッテリーは使用にあたって発熱するという性質を持っています。こういったバッテリーによる発熱を、発火などに至る「熱暴走」になる前に抑え、製品の安全性を高めるのが私の仕事。現在主に取り組んでいるのは、発熱を“起こさない”研究ではなく、熱を“広げない”ことを目的とした「熱連鎖抑制」の研究です。
熱連鎖とはモジュールの中でひとつのセルが発熱した際に、その熱が隣のセルに連鎖的に広がってしまう現象。放置すると発火などにつながりかねない熱連鎖を食い止めるため、日々実験に奮闘中です。以前から安全評価業務には携わっていましたが、バッテリーに対する深い知識を持ったメンバーと働くことで、製品に対する知識量が増大。セルのつくりや製造工程に対する知見を用いて、より俯瞰的に熱連鎖の研究に取り組めるようになりました。それぞれに違うバックボーンを持つ技術者が集まっている当社だからこそ、多様な視点、強い推進力を持って研究開発を行えているのだと感じています。

世界一のバッテリーの先に、
人々の暮らしを見据えて。
私たちが目指している最終ゴールは、バッテリーそのものの開発やそれを搭載したEV車の社会実装に留まりません。いつでも、どこでも電気が安定して使えること。それは安全で、便利で、安心して過ごせる社会の大前提。東日本大震災が発生した当時、私は関東に住んでいて計画停電を経験しました。電気が使えずに不便でしたし、夜は真っ暗で不安な気持ちを感じたことを覚えています。性能のいいバッテリーを社会に届けることで、有事の際はもちろん、日常生活においても不便や不安を感じる人を減らす。それが当社の達成するべき最終ゴールなのだと考えています。
革新的なバッテリーが完成したとき、きっと社会の注目はその製品の性能に集まるでしょう。私がこれから実現していく安全性は、製品特性の中でもスポットライトが当たりにくい部分といえるかもしれません。しかし「あたりまえに安全」でなければ、そのバッテリーが社会に広がることはなく、豊かな暮らしを叶えることもできないはず。だからこそこれからも、縁の下の力持ちとしての使命感を胸に研究開発に向き合っていきたいです。
