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~不確実性の中で挑み続ける~ 主体的に考え、行動することが未来への鍵となる。
2026年1月8日、エンジニアとして長年第一線で活躍し、企業の経営にも携わってきた小林篤氏をお招きし、変化の激しい現代社会における成功の鍵について語っていただいた。
profile
小林 篤
~2010年 複数社でソフトウェアエンジニアとしての経験
2011年 株式会社ディー・エヌ・エー入社
2018年 同社執行役員・システム本部本部長
2019年 同社CTO・常務執行役員・システム本部本部長
2025年 株式会社LayerX入社
2025年 同社Ai Workforce事業部CPO/プロダクト部長
不確実性の高い世界で生き抜くためには
世界は不確実性の塊である。この20年でインターネットの普及からスマートフォン、AI、そしてLLM(大規模言語モデル)の爆発的な進化に至るまで、技術進化は数か月単位で前提が覆る時代に入っている。だからこそ「未来を正確に読み通すことはほとんど不可能で、私たちにできるのは不確実性を低減させ、成功の確率を高めるための確度を上げることだ」と述べた。
そのために不可欠なのが戦略である。不確実性な世界では明確な戦略が組織の進む方向を示す。「戦略はシンプルで、誰にでも理解でき、組織全体が同じ方向を向けるものであるべきであり、それがチームの力を最大化する」と語った。
異なる企業のコラボレーション
戦略の1つとして、異なる企業とのコラボレーションが挙げられる。
小林氏は、株式会社ディー・エヌ・エー(以下DeNA)在籍時に多くの企業とJV(Joint Venture)という形で協業し、その難しさを強く感じた。コラボレーションにおいて、言葉の定義や重み、コンセンサスの取り方や意思決定の方法の違いが大きな壁になる。その壁を越える第一歩は、違いの存在を認め、その正体を理解しようと努めることであると学んだ。
DeNA在籍時に任天堂株式会社と共同事業を行っていた。同じゲーム事業を行う会社といえども、考え方や言葉の重みが全く違い、理解できない言葉も多々あったと言う。その中でも、徹底的な対面コミュニケーション、信頼関係の構築、自社の知見を惜しみなく共有することなど関係構築に努め、見事事業を遂行することができた。信頼は戦略や仕組みだけでなく、人と人との関係性の中で築かれるものである。「相手を中心において思考し、行動することが重要だ」と強く語った。
リーダーシップ
最後に語られたのがリーダーシップの本質である。リーダーシップは役職に付随するものではなく、行動そのものである。全員が当事者意識を持ち、考え、発言し、行動することで、組織は初めて力を発揮する。お手並み拝見ではなく協働へ。「誰かの判断を待つのではなく、一人ひとりがリーダーシップを発揮することが、不確実な時代を乗り越える鍵になる」と強調した。
最後に
JVという形での協業が進む中、不確実性な時代を乗り越える鍵は、明確な戦略と一人ひとりの主体的な行動にある。挑戦を恐れず、立場を超えてリーダーシップを発揮する。同じJVとして歩むHGYBにも強く共感できる講演となった。