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〜挑戦と主体性が未来を切り拓く〜 変化の時代を生き抜くための、自ら考え、行動する勇気。
2025年7月3日、HGYBは創業2周年を迎え創立記念式典を実施した。
式典では、社長、副社長はじめ経営層から社員へのこれまでの労いと今後に向けてのメッセージが送られた。
式典後の講演会では、元プロサッカー選手で現在はジェフユナイテッド市原・千葉(以下ジェフ)のクラブアンバサダーとして活躍する佐藤勇人氏をお招きし、
ジェフ所属時の監督であったイビチャ・オシム氏から得た学びについてお話しいただいた。
profile
佐藤 勇人
2000年 ジェフユナイテッド市原(現:ジェフユナイテッド市原・千葉)に加入
2003年 イビチャ・オシム氏が監督を務めるチームの下でJリーグを代表するボランチに成長
2005年 Jリーグヤマザキナビスコカップ制覇
2006年 Jリーグヤマザキナビスコカップ2連覇
イビチャ・オシム監督率いる日本代表に選出、弟の寿人選手と共に日本サッカー史上初となる双子選手の国際Aマッチ同時出場
2007年 ジェフにて初のキャプテン就任
2008年 京都サンガF.C.移籍
2010年 ジェフへ復帰
2019年 引退し、翌年からはクラブユナイテッドオフィサーに就任
挑戦と主体性が未来を切り拓く
現役時代に13人の監督の下でプレーし、特にイビチャ・オシム氏から学んだ言葉と哲学が、佐藤氏のキャリアと人生観を大きく変えた。オシム氏は選手に考える力と主体性を求め常に問いかけ続けた。指示待ちではなく、自分で選択し、その決断に責任を持ち、行動すること。その姿勢が、サッカーだけでなく変化が激しい現代社会でも必要な力であると佐藤氏は強調した。
リスクを恐れず、強みを生かす
佐藤氏は、自身の強みをオシム氏に引き出された経験を語る。佐藤氏は選手時代、「ボランチ」というポジションを担っており、全体をよく見て調子のよい選手にボールを送るのが自身の役割だと思っていた。
しかし、オシム氏からは守備的なバランスを取るだけでなく、リスクを冒して攻撃に参加することを求められ、結果として得点やアシストという結果を出すことができた。強みは資質・経験・スキルの組み合わせで生まれるが、固定化された役割や自己認識不足によって埋もれてしまう。無意識にできること、人から感謝されること、子どもの頃に褒められたこと―こうした外部の声が強みを見つけるヒントになる。強みと野心が組み合わさったとき、人生は動き出す。組織も同じである。個として補い合うことで強いチームが生まれる。主体性は小さな勇気と責任感から育ち、挑戦する人が組織を前進させると語った。
リーダーシップの本質
佐藤氏はオシム氏の指導を通じて、問いの質が成長を決めることを学んだ。正解を押し付けるのではなく、選択肢を与え、考えさせる。失敗を恐れず、背景や文脈を見て評価する。オシム氏は選手一人ひとりの性格まで把握し、最適なタイミングで機会を与えた。これは企業組織にも通じることであり、固定概念を壊し、対応力を試すことで、人は成長する。佐藤氏は「リスクを負わないことが最大のリスク」と語り、変化の時代に必要なのは自分で考え、行動する力だと強調した。
やったことは返ってくる―挑戦する人生へ
最後に佐藤氏が伝えた言葉は「やったことは返ってくるのが人生」。挑戦し、主体的に動くことで、キャリアも人生も豊かになる。選手時代も引退してからも困難や思うようにいかないことがあるが、その際にこの言葉を思いながら取り組むようにしているという。
講演は、スポーツの枠を超え、技術開発の分野で生き抜くための本質を示す時間となった。